その子の彼は
歌を
ああ
恋人に捧げていた
友達はその歌を
口ずさんでた
恋人は気の弱い
彼のすべてを愛した
うううう
今宵は泣く切ない
走る車に流れる声
聞き慣れたその声 思わず耳を澄ませば
あいつの言葉じゃない
彼の歌が
流れるたび その名前は彼より大きくなってゆく
あ
いつの言葉じゃない
私は知っていた
彼がヒーローなんか
じゃないことを
やがて
恋人は去ってゆく
僕が見たあの日の舞台の上で
彼は涙を流していた
その
訳も知らずに
涙をたたえ酔いしれていた
友達は知っていた
彼がヒーローなんかじゃないことをやがて
彼がヒーローなんか
じゃないことを
お前の生き
方に
間違いはない
望
むものはすべて
その手を伸ばせば
お前の生き方に
間違いはない
望むものはすべて
その手を伸ばせば
友
達が彼の歌
口ずさんだ頃