春が来れば
花の名を知り
夏には雲の名を覚えていた
秋が吐息を白くして
また過ぎたら
見たこともない
季節があった
夏には雲の名を知り
冬より冷たい
季節があった
炎の溝れが降りしきり
赤いハヤテが引き荒れる
人は心を
言葉にしない
人は心を言葉にしない
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
冬が過ぎれば
夏が来ていた
人影だけを黒く映して
人影だけを黒く映して
日差しを遮る
日差しを遮る
日差しを遮る
緑がなくて
緑がなくて
緑がなくて
私の周り
私の周り
誰もいない
誰もいない
見たこともない
見たこともない
見たこともない
季節が過ぎた
季節が過ぎた
季節が過ぎた
獣のように
獣のように
人が走る
叫ばなければ
聞こえない
聞こえない
人は夜が来る度に
人は夜が来る度に
人は夜が来る度に
人は夜が来る度に
人は夜が来る度に
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
肩より低く神戸を垂れて
やけた大地に
こたけた
さあ
わからない
涙のように輝いた
私は向こうから歩き出す
声あるならば大地を語れ
見たこともない季節のこと
声あるならば大地を語れ
見たこともない季節のこと
声あるならば大地を語れ
見たこともない季節のこと
声あるならば大地を語れ
見たこともない季節のこと
声あるならば大地を語れ
大丈夫ですか 上がってらっしゃいませんか
本当はとってもいい中年の方なんですけど
緊張のせいですが
藤谷のミルキーみたいな顔になってますけど
なんていう楽器でしたっけ
美輪という楽器ですね
ちょっとごめんなさい
私名前を忘れました
なんていうお名前でしたっけ
平山雅郎
平山さんですね
どうぞよろしくお願いいたします
変わった楽器を使いますのは
これから歌うちょっと変わった人物のために
用意したんでございますけど
私は歴史を読むのがとっても好きでして
その本を読んでおりますと
何百年か前に生きた人間でも
なんとなく今会ったら
友達になれそうな
そういう人間に出くわすことがあります
私は今から歌う歌も
その手の人間なんですけど
黒田寛兵衛という
おじさんなんです
博多の人なんですけどもね
このおじさんはかわいそうなことに
腕も頭も才覚も
全部一流のものを持ってたんですけど
たった一つかわいそうなことに
運がなかったんですね
このおじさんがもし
家康を押しどけて天下を取っていたら
徳川300年は続かずに
そのおじさんが天下を取っていたら
もうその時代から
日本人はバンバン船で
外国を飛び回るような
そんな人種に変わって
いたんではないかなと思うんです
このおじさんがとっても好きなのは
この黒田寛兵衛というおじさんが好きなのは
男の負け方を知ってるんですね
男ってのは
やっぱり勝たなきゃいけないと思うんですけど
でももし負ける時が来たら
かっこよく負けたい
その生き様を
寛兵衛という人は持ってる人なんです
結局関ヶ原の戦いが
1日で
もし100日あったら
このおじさんが横の天下を掠めとってるんですけど
1日で終わってしまったもんですから
このおじさん
天下に対する野望をもう諦めてしまうんです
そして築前博多という田舎で
一生終わるんですけど
その終わり方がかっこいいんですね
俺の一生はバカみたいだった
まるで流れる水に
流れる水に文字を書くような
そんな虚しい努力の
一生だった
俺は二流の人間だって笑うんです
でもこのおじさん
負けたからこそ二流の人なんですけど
もし勝っていたら超一流になるだと思います
しかも素敵なのは
自分のことを二流と
笑えるのはその人がきっと
一流だったからじゃないかなと思うんです
変わった歌ですけども
聞いてください
黒田寛兵衛二流の人